性教育授業セット「男子の成長」付属DVD


おもしろいな!性教育
  男子の成長  映写時間 9分


 
採録シナリオ

ナレーション(以下) いまみんなは、体も心も、大人に向かって成長しているところです。

 どうして体は変わっていくのかな?
 
 これは、
男子からの質問。

 ・なぜ、チン毛がはえるのか?
 ・なぜ、声変わりするのか?
 ・どうしてチンコが立つのか?
 ・夜、ネバネバしたものが出ちゃうんだけど……
 ・男子より女子の方が、成長が早いのは、なぜ?


 では、グラフを見てみましょう。これは身長のグラフ。
10歳から11歳のころは、女子のほうが男子より、背が高いですね。でも、13歳前後になると、男子の方がぐんと大きくなって、女子を抜いていきます。

 体重も同じ。10歳から11歳までは、女子のほうが成長が早く、13歳になると、男子がぐんと抜いていきます。



つまり、女子のほうが男子より2年ぐらい早く成長が始まるってわけ。
 それは将来、女子はあかちゃんを産む体になるために、
男子より複雑な発達をする必要があるからですよ。

●服を着た男女正面図
 さあ、この二人をよーく見て! 
どっちが男子でどっちが女子か、わかりますか?
児童 左が男!?
 わからないよね。どこを脱いだらわかる?
上着を脱いでみようか。まだわからないね。
児童 下!下!
 短パンを取ったらわかるかな? 
 (パンツを取る)ほーら、こっちが男子、こっちが女子でした! 



●服を脱いだ正面図
 みんなの体は、大人に向かって、どんなふうに変わっていくのかな? 手に持った、パーツを貼ってみましょう。

●思春期の体の変化――男女正面図
 上手に貼れましたね。男子の体も女子の体も、こんなふうに変わってきます。
 男子の体は、どんなふうに変わっていくのか、一緒に言ってみましょう。

●男子の正面図
児童
 「ひげ」「あごひげ」「のどぼとけ」
 そう、のどぼとけが出てきて声が低くなった子もいますね。それから?
児童 「わき毛」「むな毛」「ちん毛」
 ちん毛は、性毛って言います。
 それから、ここは性器――陰茎や精巣も発達してきます。

 どうしてこんなふうに体が変化してくるかというと、外からは見えないけれど、両方のこめかみを 直線で結んだ真ん中あたりに、下垂体というところがあってね、大脳をタテに割ると……、ここが下垂体。
 みんなの年頃になると、この下垂体から「ホルモン出せー」って命令が出てくるの。

●男子の正面図
 その命令は、ここに働きかけます。
児童 「きん玉」「たまたま」
 正しくは“精巣”でしたね。この精巣に働きかけると、精巣から、男性ホルモンが出てきて、血液に混ってからだ中にいきわたると……、さっき説明した、たくさんの変化が起こるのです。

●男性外性器・内性器図、夢精、勃起の絵
 これは男子の外性器と内性器を横から見たところ。
 みんなの年頃になると、精巣の中で精子が作られるようになります。作られた精子は、精液という白い液体に混ざって、こんなふうにグルグルーと回ってね、ピュッ!と外へ飛び出していきます。これを“射精”といって、初めての射精を“精通”といいます。
 精子は精巣で、1日に何千万と作られるので、いっぱいになってしまいます。
 それで、夜眠っている間に、ネバネバした白い「精液」がパッと出てきちゃって、「あれッ、寝小便か?」って、びっくりすることが あるかもしれない。これを『夢精』といいます。



 これが、誰かの質問にあった勃起。
 性器は、精液が出ていくときは、こんなふうに立ちます。
 みんなはテレビやマンガのラブシーンなどを見て、勃起した経験はないかな?
 その他、いろんなときに立つけれど、気にすることはありませんよ。

●精通の年齢グラフ
 精通は、中学1年生ごろ起こる男子がいちばん多いけれど、中2、中3で起こる子もいます。
 いっしょに植えたチューリップだって、早く咲くのも遅く咲くのもあるでしょう。だから、早くても遅くても心配することはないんですよ。
 「あっ、大人の仲間入りをしたんだ」って、明るく考えましょう。

●顕微鏡で見る卵子・精子・受精の瞬間
 これが顕微鏡で見た卵子。
児童 あかちゃんのもと。
 そう、あかちゃんのもとですね。直径0.14ミリ。
 とんがった鉛筆の先でチョンと突いたくらいの、やっと見えるか見えないほどの大きさです。
 これは精子。
児童 見える?
 いいえ、顕微鏡じゃないと見えません。なぜって、長さは僅か0.06ミリ。とっても小さいんですよ。

 これは、卵子の中に精子が入って受精した瞬間。
みんなのいのちは、こんなふうに、お母さんの卵子と、お父さんの精子が合体して、お母さんの子宮で育って、生まれてきたんですよ。


●まとめ 男子・女子正面図
 みんなの年頃を思春期といいますが、思春期にさしかかると、男子も女子も、脳の下垂体から出される「ホルモン出せ!」という命令によって、男子の精巣からは男性ホルモンが、女子の卵巣からは女性ホルモンが分泌。血液に混って体中にゆきわたると、いろんな体の変化が現れます。



 するとクラスの中で、「あいつボインになったな」とか、
「わぁ、変な声」などと興味をもったり、いじわるも言いたくなるかもしれない。
 でも、なぜそんなふうに変化してきたのかを正しく勉強して、体のことがわかると、心の変化も理解できるようになるでしょう。
 みんなで、話しあってみましょう。


制作者の言葉   制作者/北沢杏子

 
思春期にさしかかった男の子たちは、体の急激な変化に驚いたり不安になったり、ときには自慢したくなったりするものです。この教材の中にも「なぜ、声変わりするのか?」「どうして勃起するのか?」「夢精が起こるのはどうして?」などの質問が出てきます。そうした変化は、脳の下垂体の命令によるホルモン分泌によって起こること、その命令の時期は一人ひとり違うことを話しましょう。また、この時期には、性器の洗い方や、夢精でよごした下着は、自分で水洗いしてから洗濯機に入れることなども、体育の男性の先生に、さり気なく教えていただきたいものです。
 この教材の中には、顕微鏡で見た卵子、精子、受精の瞬間や、生まれたばかりのあかちゃんの写真も載せました。ふだん見ることのできない神秘的なこれらの映像を見ることで、いま自分の体の中で精子の産生や射精が起こり、将来、かけがえのないいのちが生み出される準備が始まっていることに、驚きと感動を覚えるのではないでしょうか。体の変化を科学的に知ると共に、思春期の心の変化について、ジェンダーの平等を基本とした指導に期待します。

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