ナレーション(以下N) いまみんなは、体も心も、大人に向かって成長しているところです。
どうして体は変わっていくのかな?
これは、女子からの質問。
・どうして胸がでてくるの?
・生理になるのはなぜ?
・どうして、わき毛やあそこの毛がはえてくるの?
・女子のほうが、男子よりも成長が早いのはなぜ?
では、グラフを見てみましょう。
これは身長のグラフ。10歳から11歳のころは、女子のほうが男子より背が高いですね。でも、13歳になると、男子の方がぐんと大きくなって、女子を抜いていきます。
体重も同じ。10歳から11歳までは、女子の方が成長が早く、13歳になると男子がぐんと抜いていきます。
つまり、女子のほうが男子より2年ぐらい早く成長が始まるってわけ。
それは、将来、あかちゃんを産む体になるために、
男子より複雑な発達をする必要があるからですよ。
●服を着た男女正面図
N さあ、この二人をよーく見て!
どっちが女子でどっちが男子か、わかりますか?
児童 左が男!?
N わからないよね。どこを脱いだらわかる?
上着を脱いでみようか。まだわからないね。
児童 下!下!
N 短パンを取ったらわかるかな?
N ほーら、こっちが女子、こっちが男子でした!
●服を脱いだ正面図
N みんなの体は、大人に向かって、どんなふうに変わっていくのかな?手に持ったパーツを貼ってみましょう。
●思春期の体の変化――男女正面図
N 上手に貼れましたね。女子の体も男子の体も、こんなふうに変わってきます。
女子の体は、どう変わっていくのか、言ってみましょう。
●女子の正面図
児童 「わき毛」「まん毛」
N 正しくは性毛といいます。
児童 「おっぱい」
N そう、おっぱいはね、ちょっと難しいけど「乳房」といいます。胸のふくらんできた子は、このクラスに何人くらいいるかな?
N みんなの年頃になると、女性ホルモンの働きで、乳腺が発達してきます。乳腺は、将来、あかちゃんに飲ませるお乳を作るところです。
どうしてこんなふうに体が変化してくるかというと、外からは見えないけれど、両方のこめかみを直線で結んだ真ん中あたりに、下垂体ってとこがあってね、大脳をタテに割ると……、ここが下垂体。
みんなの年頃になると、この下垂体から、「ホルモンを出せー」って命令が出てくるの。
●女子の正面図
N これは女子の内性器の絵。ここは子宮――あかちゃんを育てるお部屋です。子宮の両方にあるのが卵巣。あかちゃんのもとになる卵子が、たくさん入っているところです。
下垂体からの命令が、この卵巣に働きかけると、女性ホルモンが出てきて、血液に混ってからだ中にゆきわたり……さっき説明した、たくさんの変化が起こるのです。
●女性外性器・内性器図、排卵、月経
N みんなの年頃になると、卵子が、約一ヵ月に一個ずつ成熟して、ポンと飛び出してくるようになります。
子宮では、その卵子が、いつ、あかちゃんになってもいいように、栄養や酸素をいっぱい溜めて、ベッドの用意をします。
でも、みんながあかちゃんを産むのはずーっと先のこと。
だから、卵子は吸収されてしまうし、「ベッドはいらないよ」と、こんなふうに体の外へ出ていきます。
これを「月経」といって、初めての月経を「初経」と呼んでいます。みんなは“生理”と言っているかもしれないけれど、正しい言葉も覚えておきましょう。
●月経の手当て
N これは女子の体を横から見たところ。ここが尿の出るところ、ここが月経血が出てくるところ、ここが肛門です。
月経のときは、ここにナプキンを当てて手当てをします。
月経は12歳ごろに始まって、 52歳ごろまで、40年間も続くんですよ。
だから、やだな、面倒だな、なんて思わないで、「あっ、大人の仲間入りしたんだ」って、明るく考えましょう。
●初経のグラフ
N 月経が始まる年齢は人によっていろいろです。小学校4年生から6年生ころに始まる子も、中学1〜2年生で始まる子もいます。
いっしょに植えたチューリップだって、早く咲くのも遅く咲くのもありますね。だから、早くても遅くても、心配は いらないんですよ。
●顕微鏡で見る卵子・精子・受精の瞬間
N これが顕微鏡で見た卵子。
児童 あかちゃんのもと。
N そう、あかちゃんのもとですね。直径0.14ミリ。
とんがった鉛筆の先でチョンと突いたくらいの、やっと見えるか見えないほどの大きさです。
これは精子。
児童 見える?
N いいえ、顕微鏡じゃないと見えません。なぜって、長さは僅か0.06ミリ。とっても小さいんですよ。
これは、卵子の中に精子が入って受精した瞬間。
みんなのいのちは、こんなふうに、お母さんの卵子と、お父さんの精子が合体して、お母さんの子宮で育って、生まれてきたんですよ。
●まとめ 男子・女子正面図
N みんなの年頃を思春期といいますが、思春期にさしかかると、女子も男子も、脳の下垂体から出される「ホルモン出せ!」という命令によって、女子の卵巣からは女性ホルモンが、男子の精巣からは男性ホルモンが分泌。血液に混って体中にゆきわたると、大人に向かって、いろいろな体の変化が現れます。
するとクラスの中で、「あいつボインになったな」とか、
「わあ、へんな声!」などと興味をもったり、いじわるも言いたくなるかもしれない。
でも、なぜそんなふうに変化してきたのかを、正しく勉強して体のことがわかると、心の変化も理解できるようになるでしょう。
みんなで、話しあってみましょう。