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専門医が答える!「からだの成長」シリーズ

1巻 育ちゆくからだと月経

◆性教育 ◆小学校中・高学年用 ◆14分

 

ダイジェスト

■ドイツ公立教育映像所製作のアニメーション

  これが、あかちゃんを育てる子宮です。
 子宮の内側は、厚い膜で覆われています。
 左右には卵巣があります。
 ここから出されるのは、女性ホルモンというホルモンです。
 女性ホルモンは、子宮の内膜をどんどん厚くしていきます。
 卵胞の中の卵子は、卵胞の表面に移動してきます。すると、卵管の先の手のひらのような部分が覆い被さって、 卵子を上手にキャッチするのです。
 空になった卵胞は、黄色い黄体に変化して、別のホルモンを送り出します。
 このホルモンは、子宮の内膜を、さらに軟らかく厚く、水分や栄養分をたっぷり含んだ、あかちゃんのベッドを用意するホルモンです。
 でも、みんなは子どもだから「あかちゃんのベッドはいらないよー」と剥がれて、からだの外に押し出されてきます。これが月経で、初めての月経を初経といいます。

     


■みんなからのしつもん  答える人 河野美代子先生

どうして女の子だけ月経になるの?何歳ぐらいからなるの?
河野 男の子と女の子のいちばんの違いっていうのは、女だけがあかちゃんを産むことができるからだである、ということ。
 まず、卵子が飛び出します。そして、もしここで精子と出会ったら、その卵はコロコロと運ばれて、厚くなった子宮の内膜にもぐりこんで、そして、ここであかちゃんがだんだんと大きくなっていく。そうでしたね。
 ですが、まだ、そういうふうに、精子と卵子が出会わないで妊娠しなかったときは、このふかふかになったベッドは必要なくなります。そして、これが剥がれて血液とともに出てくる。これが月経なんですね。
 そして、何歳になったらなるかというのは、4年生で始まる人もだいぶいます。5年生〜6年生でだいたい半分ぐらいかな。そして、中学校を終えるまでに、ほとんど100パーセント近い人が、初経――初めての月経を迎えます。


おりものってなんですか?
河野
 これが子宮で、これが腟。ここが腟口――ワギナの入り口ですね。そして、卵巣からいろいろなホルモンが出てくると、ここに、分泌液ってわかるかな?さまざまな成分を含んだ液が出てくるようになるんですね。それが細胞などといっしょにワギナの入り口から出てくる。そして初経が始まる……


胸がふくらむのはどうして?
河野
 将来いつの日か、あかちゃんを産んだときにオッパイをあげるためなんですけど、ふくらむのは、だいたい初経の始まる前から。
小学生でもペチャパイで恥ずかしいっていうんですけれど……
河野
 おっぱいだけはね、大きい人から小さい人まで、ずいぶんいろいろいます。だから、人と比べるものじゃないね。小さい人でも大丈夫ですよ。あかちゃんを産んじゃうと、どんどん大きくなって、たくさんおっぱいが出るようになりますから、そんなこと心配しなくていいんです。


生理痛はどうして?とっても痛いときは、どうしたらいいんですか?
河野
 これが骨盤。これが子宮です。あかちゃんを産んだことのない人の子宮口というのは、こんなに小さいんです。鉛筆の芯ぐらい。この狭いところを、はがれた内膜と血液のどろどろしたのが通って出てくる。
 子宮は筋肉のかたまりですから、収縮して押し出そうとするんです。そうすると痛いんです。
 生理痛がちょっと重いな、痛いなっていう程度なら、軽い体操をしたり、お風呂に入って温まったりすると痛みがとれます。けれども、とっても痛いときは、お母さんと相談して痛み止めを使ってだいじょうぶです。痛み止めを使ってでも、楽に過ごしたほうがいいと思います。


月経のとき、お風呂に入ってもいいんですか?プールに入ってもいいの?
河野
 月経のときにしてはいけないことっていうのは何もありません。いつもと同じように行動していいんです。
 とくにお風呂は、どうしても性器が経血で汚れたりしますから、ちゃんと石けんで洗ったほうがいいし、お風呂にゆっくりつかって、からだが温まると、おなかの重いのや痛いのが楽になってきます。どうぞ、いばってお風呂に入ってくださいね。
 プールはね、入りたい人は入ってもだいじょうぶ。でも、みんな、月経中でも入らないといけないということもありません。

月経の血ってどこから出てくるんですか?
河野
 子宮の内膜がはがれて、ワギナの中を通って、ここが出口ですね。おしっこの出るところの少し後ろです。そしてこれが肛門。便が出るところね。そのあいだにあります。腟の入り口、出口ね。

小学生でもタンポンを使ってもいいの?
河野
 自分でちゃんと管理できる人は使ってかまいません。これは、普通サイズですけども、これがここにこういうふうに入って、血液を吸収します。だから、外まで血液が出てこないから、いやな匂いなどはしなくなります。
 タンポンは小さいときは堅いけれども、だんだん血液を吸ってふくらんできます。それはうんと軟らかくて、出すときにギュウッと絞れる感じに出てきますから、全然傷つけることはないし、だいじょうぶです。ただし、入れたまま出すのを忘れちゃうような子はダメです。

生理が早く来たり、あいだがポンと飛んで、なかなか来なかったりするんですけど……
河野
 それがあたりまえなんです。月経のはじまりっていうのは、まだ、排卵があったり月経があったりっていうリズム(性周期)がちゃんとできていません。だんだんとおとなになるにつれて、ちゃんとしてくるので、不規則なのはあたりまえなんです。

小学生でも、産婦人科の病気になることがありますか?どんな病気ですか?
河野
 産婦人科というところは、女性であれば、あかちゃんからお年寄りまで、どなたが来てもいいところ。
 なにか困ったことがあったら、産婦人科の先生にみていただくの良いです。

税別価格 各巻 12,000円 (ライブラリー価格 各 24,000円)

専門医が答える!「からだの成長」シリーズ全3巻

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