ダイジェスト
■ドイツ公立教育映像所製作のアニメーション
あかちゃんは、お母さんのおなかの中で、約280日もかけてぐんぐん成長し、うまれてくるんですよ。
これが、あかちゃんの育つお部屋、子宮。そして、卵子が入っている卵巣です。
精子が送り込まれてきました。卵子の中に入り込むことのできるのは、その中のひとつだけです。
精子と卵子の核がひとつになりました。これを「受精」といいます。こうして、新しいいのちが始まるのです。
受精卵は、2つから4つ、8つ、16、32と分裂を繰り返しながら、何百万という数に増え続けます。
いま、受精から12日目。大きさは1ミリあるかないかほどです。
3週間たちました。心臓ができたのがわかりますか?
5週間たちました。あかちゃんは6ミリほどに成長。
心臓が打ち始めますが、まだ不規則です。
6週間目。心臓が、規則正しく打ち始めました。
7週目には、2センチほどに成長し、神経ができあがります。胃、腸、肝臓、それから、肺もつくられました。
受精後40週前後が、出産予定日です。
おかあさんの子宮が収縮を繰り返し、あかちゃんも自分の頭でグングン押しているのがわかりますか?
あかちゃんを包んでいた膜が破れ、羊水が流れ出しました。ほら、生まれてきますよ。
280日もの間、待ちに待った、小さなかわいいいのち。
みんなも、こうして生まれてきたんですよ。
■みんなからのしつもん
答える人 河野美代子先生
子宮の中の水(羊水)は、どこからくるの?おなかの中で、おしっこやうんちをしているの?
河野 あかちゃんのほうの血管が、血液のプールされている胎盤から栄養や酸素を吸いとって送りこむ、これがへその緒です。まわりは卵膜という膜でかこまれています。この膜の細胞が羊水をどんどんつくっていくんですよ。
この羊水の中には、あかちゃんのおしっこも含まれています。そして、この羊水をあかちゃんが飲むんですね(胎児が羊水を飲んで浄化している)。
でもね、うんちはしないです。生まれるまでしっかりおなかの中にためておくんです。生まれた後でうんちをするんですよ。
流産って、どうしてなるんですか?
河野 せっかく妊娠したのに、途中であかちゃんがだめになって、血液とともに出てしまいます。これを流産といいます。これは、とても悲しいことですね、お母さんにとって。でもね、流産するのは、あかちゃんそのものに異常があることがほとんどです。しかたがない。育たなかったんだからしょうがない。だから、お母さんは元気を出して『よし!もう一度生もう』ということになる……。
へその緒はどうして50cmもあるの?
河野 平均50cmです。70〜80cmある人もいますよ。
(「うまれたばかりのあかちゃん人形」を使って)胎盤がお母さんの子宮にくっついていて、あかちゃんはこういうふうに頭から出てきますから、短いと引っぱられてしまって、出てこられません。たまたま、へその緒が30cmぐらいの短い人がいます。そういう人は、生まれてくるとき大変。あかちゃんは死にそうになって出てくる。
あかちゃんは、もうすぐ生まれるというときに、どうしてでんぐりがえりをして頭を下にするんですか?
河野 あかちゃんというのは、からだの中でいちばん大きなところは頭なんです(4頭身なので、自然と頭が下になる)。頭が出ると、あとはスーっと出る。
いちばんかたくて大きい頭で、ぐいぐい押しながら出てくるんです。
あんな小さなところから、どうやってあかちゃんが出てくるの?
河野 お母さんも精一杯がんばって、子宮もギュッ、ギュッと収縮して、そうして、あかちゃんの頭が押して、押して広がるんですね。狭かったところがだんだん広がって、最後はこんなに広がって、そこからあかちゃんは出てくるんです。
何が男の子・女の子を決めるの?
河野 卵子というのは、みんなX(エックス)というのを持っています。ところが、精子にはXという精子と、Y(ワイ)という精子があります。このXの卵子にYの精子が合体したら男の子になります。Xの卵子にXの精子が合体したら女の子になります。
ふたごはどうして生まれるんですか?
河野 ひとつの卵子とひとつの精子が合体しました。合体した卵子(受精卵)が2つになり、4つになりっていう(細胞分裂する)ときに、なぜか2つにポンと分かれてしまった。そして、それぞれがそこで成長していく。こうして、ここで、ふたりのあかちゃんになります。でも、これは、もともとの卵子と精子が同じなので、そっくりなあかちゃん。男の同士、女の子同士で、お顔もそっくり。こういうのが一卵性のふたご。
もうひとつ、二卵性のふたごというのがあります。卵子は、だいたい1ヵ月に1個ずつ卵巣から排卵されるんだけれども、たまたま2個排卵しちゃったというときに、それぞれの卵子にそれぞれの精子が合体して、それぞれのあかちゃんができた。
だから、これはぜんぜん違う卵子と精子ですから、男の子と女の子ということだってあるし、同じ性のこともあるけれども、全然ちがうふたりのあかちゃんができます。