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小学生のエイズのべんきょうシリーズ

2巻 コンピューターグラフィックによる小学生版よくわかるエイズ

◆性教育 ◆小学校中・高学年用 ◆10分


CGによる小学生版よくわかるエイズ を制作して  〜制作者 北沢杏子

 このビデオ教材、『CGによる小学生版よくわかるエイズ』は、「小学生から大人までよくわかる内容」「白血球や人物のキャラクターのデザインがユニーク」「色彩が美しい」「スピーディーな展開がよい」など、各方面から高い評価をいただいています。

 ケータイ・ネット・ゲーム世代の子どもたちにとって、CGによるキャラクターは親しみやすく、覚えやすい教材といえましょう。とくにキラー細胞が、体内に侵入してきた病原体を片っ端から食べ尽していく様子、HIVの遺伝子RNAが逆転写酵素を使って、巧みにヘルパーT細胞のDNAを乗っ取ってしまう場面など、CGならではの表現により、強い説得性を持っています。

 また、ラストシーンでは「世界エイズデー」のパレードに参加している小学生の実写が紹介されています。制作者の私としては、このビデオを観ることで、各地で、小学生にもできるエイズキャンペーンが繰り広げられることを望んでいます。

 

テキストによる採録

きょうは、エイズを引き起こすウィルス、HIVと免疫を中心にお話しましょう。

■HIVと免疫
 みなさんのまわりには、目には見えないけれど、たくさんの細菌やウィルス、カビ、原虫などの病原体が飛び交っています。その中のいくつかは、みなさんのからだの中にも住みついています。
 にもかかわらず、みなさんが元気でいられたり、病気になってもすぐに治ってしまうのは、どうしてでしょうか?
 それは、血液やリンパ液によって、からだ中をめぐっている「免疫のしくみ」のおかげなのです。
 では、みなさんの血液の流れを見てみましょう。
 透明な血漿の流れにのって、赤血球、白血球、血小板、そのほか糖やホルモンなどが流れています。
 この中で、絶えずパトロールして、病原体の侵入からみなさんのからだを守ってくれているのが、白血球です。その主なスタッフを紹介しましょう。

■からだを守る白血球の活躍



 侵入してきた細菌やウィルスを片っ端から食べてしまう、食いしん坊のマクロファージ。マクロファージの働きを察知して、すばやく命令を出すヘルパーT細胞。侵入者(病原体)をやっつけるキラー細胞。侵入者につきささる目印「抗体」を作るB細胞。そして侵入してきた病原体を覚えて、次の感染に備える、記憶するB細胞の5つです。
 これらのスタッフの活躍ぶりを見てみましょう。
 強烈な細菌がからだの中に入ってきました。まず、マクロファージがどんどん食べていきます。



 司令官のヘルパーT細胞は、それを察知すると、すばやく2つの指令を出します。ひとつは、キラー細胞に「どんどん増えろ」、もうひとつは、B細胞に「抗体をつくれ」という指令です。
 指令を受けて、キラー細胞はどんどん仲間を増やします。
 B細胞は工場になって、先が鋭く尖ったY字型の抗体を作り、次から次へと発射します。抗体はミサイルのように細菌に突き刺さり、金縛りにしてしまいます。
 (また、細菌と戦って死んだキラー細胞にも刺さって目印をつけます)。
 キラー細胞は、目印をめがけて襲いかかります。そこにまたマクロファージが現われて、死んだ細菌や戦いに負けたキラー細胞などを食べ、きれいに片づけてしまうのです。
 これを記憶するのもB細胞の仲間です。記憶しておけば、再び同じ病原体が侵入してきたとき、すばやく発見してやっつけることができるので、軽くてすんだり、種類によっては二度とかからなくなります。
 みなさんが受ける予防接種は、この仕組みを応用。少ない量の弱めた細菌やウィルスをからだの中に入れてやって戦わせ、記憶させて、感染を予防するのです。




■細菌とウィルスの違いは?
 ここで、細菌とウィルスの違いを見てみましょう。
 もともと、ウィルスは細菌と違って、遺伝子とそれを包むタンパク質と核だけの存在で、自分で増えるための物質を持っていません。
 ですから、生き残るためには、生きている細胞に住みついて、その働きを利用するほかないという、困ったシロモノなんです。
 エイズのウィルス――HIVも同じです。

■HIVの構造と機能は?
 HIVの構造は、真ん中に遺伝子、そして赤い丸で示した逆転写酵素という物質があり、そのまわりをタンパク質が囲んでいます。
 まわりに生えているキノコ型の突起は、自分にぴったり合う細胞の入り口を見つけるためのアンテナです。

 では、HIVの侵入の様子を見てみましょう。
 HIVがからだの中に入ってきました。マクロファージがどんどん食べていきます。司令官のT細胞は、その情報を受け取ると、いち早く指令を出します。
 ところが、指令が弱くて相手に伝わりません。どうしてだと思いますか?
 そう、このT細胞の中に、HIVが入り込んでしまったからなんです。

 指令するT細胞は、ヘルパーT細胞といいます。
 HIVの特徴は、みなさんのからだの抵抗力のいちばん大事な役割をもつ司令官、ヘルパーT細胞を狙い撃ちすることです。
 ヘルパーT細胞は、CD4という特別な入り口(受容体)を持っていますが、HIVはまわりに生えているキノコ型のアンテナを使ってこの入り口を見つけ、やすやすと入り込むのです。

 ヘルパーT細胞を縦に切ってみましょう。真ん中に核が見えますね。中の遺伝子は、難しい言葉ですが、DNAといいます。侵入したHIVは、タンパクの服を脱ぎすてて遺伝子だけになります。この遺伝子は、RNAという違った形をしていますが、逆転写酵素を使って逆転。



 ヘルパーT細胞の遺伝子の一部に組み込まれる形で、これを乗っとります。
 このような状態で長い年月たつと、なにかのきっかけで活動を開始し、どんどん自分のコピーを作り始めます。
 そして、まわりを包むタンパク質を合成。ヘルパーT細胞の膜を破って次から次へと飛び出し、まだ感染していないT細胞に侵入。同じ方法で増え続けます。
 乗っとられたT細胞は、ぼろぼろになって死んでしまいます。
 みなさんの血液1mm3の中には、ヘルパーT細胞が1000個以上含まれています。けれども、HIVによってその数は、500……400……300……200……と減っていきます。すると、免疫力はどんどん落ちていき、ふだんならかかるはずのない病原体がこのときとばかりに侵入。さまざまな病気にかかるようになり、しだいに重い症状へとすすみます。

■世界エイズデー



 みなさんは、エイズに対してどんなことができるでしょうか?
 毎年12月1日は「世界エイズデー」です。この子たちは「ストップ・エイズ」のパレードに参加しました。プラカードには「早くエイズをなおして」「早く元気になってね」と書きました。
 また、エイズで亡くなった人びとの魂をなぐさめるメモリアルキャンドルの集まりにもいきました。
 みなさんがおとなになるころには、人類はエイズを克服しているでしょうか?

税別価格 各巻 12,000円 (ライブラリー価格 各 24,000円)

小学生のエイズのべんきょうシリーズ全2巻

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