紙芝居が始まりますよ。「きをつけて! がっこうのかえりみち」という紙しばいなの。始まり、始まり……
この子たちを紹介するね。赤いランドセルが、A子さん。青いランドセルの男の子が、B介くん。黄色い帽子をかぶっているのが、C子さんです。3人は同じ集合住宅(団地)に住んでいるので、いつも一緒に帰ります。
5つのやくそく
A子さんのクラスでは“帰りの会”のとき、みんなで声を合わせて「5つのやくそく」を読みます。じゃあ、読んでみるね。
1.ひとりではかえらない。
2.さそう人にはついていかない。
3.さそう人のくるまにはのらない。
4.きけんなときは、おおごえでさけぶ。
5.すぐにうちの人にしらせる。
ひとりでは かえらない
トコトコ、トコトコ、トコトコ、トコトコ……3人は、お家に向かって歩いています。
「あ、トイレに行きたくなっちゃった。そこの公園のトイレに行ってくるね」と、C子さんが言いました。こんなときは、どうする?
さそう人には ついていかない
トイレが終わったので、3人はまた、トコトコ、トコトコ……と、お家に向かって歩き出しました。すると、知らないおじさんが近づいてきて……
男 「おじさん、このへんに初めて来たんだよ。駅までは、どう行ったらいいの?」
B介「駅まではね、ここをまっすぐに行って、右に曲がると、コンビニがあるから……」
男 「ありがと、ありがと、いい子だね。おじさんを駅まで案内してくれるかい?」
B介「うーん……でも……ぼく……」
男 「さあ、行こう!」と、B介くんの肩に手をかけました。
こんなときは、どうするんだっけ?
さそう人の車には のらない
雨がザーッと降ってきました。3人は「わぁーたいへん!」と、大きな木の下にかけこんで「雨やどり」をしたの。
男 「やあ、きみたち。ずぶぬれになっちゃうぜ。さ、お兄さんの車に乗りな。家まで送ってあげるよ」「えーっと、このお兄さん、よく見かける人だよ。同じ団地に住んでいる人かな?」と、C子さんがいいました。「だったら送ってもらおうか?」とB介くん。「ずぶぬれになって、風邪をひいたら困るしね」と、3人は、迷っているようです。
男 「さあ、早く!早く!」
こんなとき、みんなだったら、どうする?
きけんなときは 大声でさけぶ
女 「たいへん、たいへんよッ、いまそこであなたのお母さんが交通事にあって、救急車で病院に運ばれたのよ! さあ、いっしょに行きましょう!」「えっ、お母さんが? ほんと? 病院ってどこの病院?」A子さんはドキドキして、おばさんについていきそうになりました。
すると、C子さんが おばさんに言ったの。「おばさんは、だーれ? どうして交通事故にあった人が、この子のお母さんだって知ってるの?」
女 「なに言ってるのッ。そんなことゴタゴタ言ってる場合じゃないでしょ。早く!早くったら早くッ!」おばさんはA子さんの手をつかみました。
さあ、こんなとき、みんなだったらどうする?
知ってる? こども110番の家
3人は、全速力で走りました。
さあ、3人はどこに向かって走ったと思う? そう、「こども110番の家」に駆け込んだの。みんなは、「こども110番の家」って知ってる? この子たちは、「こども110番の家」と書いてある家を知ってたの。
とくちょうを おぼえてる?
ところでみんなは、この紙芝居に出てきた女の人のことを覚えてる? これはとっても大事なことなの。その女の人の特徴を警察に知らせて、早く探してつかまえないと、また、他のところで、子どもを連れていこうとするかもしれないからね!
じゃあ、女の人を見て。歳は何歳ぐらい、赤い服、草色のズボン、髪の毛は茶色……
すぐ うちの人にしらせる
「こども110番」の家のおじさんが、3人の家に電話をしてくれたので、家の人たちが、迎えにきてくれました。
こわい目にあった3人の話がきっかけになって、上級生たちが、学校の帰り道の「危険な場所の地図」や、“5つの約束”のポスターを作ったの。そして、あちこちの、目立つところに貼りました。さあ、これで安心!!
ふくしゅう
1.ひとりではかえらない。
2.さそう人にはついていかない。
3.さそう人のくるまにはのらない。
4.きけんなときは、おおごえでさけぶ。
5.すぐにうちの人にしらせる。
はい、よく覚えましたか?