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1巻 思春期 ―かわってきたからだとこころ―


みんなは今、おとなに向かって成長している。とくに、からだの上に急激に起こっている変化は、みんなを不安にしたり悩ませているかもしれないね。
二次性徴、性器と性機能、思春期の心理と前頭葉の発達などをていねいに解説。性的成長の正しい理解・自覚を通して、思いやりのこころを育てていく。
人間教育として性教育の具体的内容をトータルにまとめ上げた性教育ビデオの決定版。

脚本・演出 北沢杏子

対象 小学校高学年〜中学生  映写時間 15分

 

 


 
こんにちは13歳 1巻 思春期 ダイジェスト

からだとこころの成長
みんなは中学生になって、どんなふうに変わってきたと思う?

男子 親に反抗するようになった。親を無視するようになった。
女子 両親に反抗するようになった。
男子 乱暴なことばを使うようになり、人をからかうようになった。
男子 夜、夜中まで外をふらふら歩きたいなあと思ったり……。 
女子 一人になりたいことが多くなった。
男子 カッコを気にするようになった。好きな人がいるし……

二次性徴を学ぶ
みんなの大脳を縦に切ってみると、下垂体というところがあります。そこからホルモン出せーという、命令が出ます。
この下垂体から、男子は精巣に働きかけます。
女子は卵巣に働きかけます。すると卵巣から女性ホルモンが出ます。男の子は精巣から男性ホルモンが出てきます。それが血液の中に混じってね、体中にゆき渡ると、どういうことが起きるか?

男子は、肩幅が広くなり、腕や脚の筋肉が発達してがっしりした体つきになってくる。
こう丸やペニス(いんけい)も発達する。わき毛や性毛もはえてくる。

女子は、肩や腕や腰に脂肪がついて、ふっくらしたからだつきになってくる。乳房や骨盤が発達し、わき毛や性毛もはえてくる。
このような変化を、「二次性徴」と呼んでいる。


女子の内性器
ここが卵巣。卵子は一ヵ月に一ペん、卵巣からポンととび出してくる。とび出してきた卵子は卵管を通って子宮へと送られる。一方、子宮ではこの卵子がいつ、あかちゃんになってもいいよう、内側の膜を厚くし、あかちゃんのための栄養や酸素をいっぱいためて待っている。だが、みんながあかちゃんを産むのは、ずっと先のことだ。
だから、卵子もあかちゃんのための栄養もいらなくなって、ワギナ(腟)から外へ出ていってしまう。
これを「月経」といって、はじめての月経を「初経」と呼んでいます。


男子の外性器と内性器
ここがペニス(いんけい)と精巣。精巣で作られた精子は、精管の中をぐるっとまわって、ペニス(いんけい)から外へとび出してい。これを「射精」といって、はじめての射精を「精通」と呼んでいる。
みんなが、性的な刺激をうけると、ペニスが、固く大きくなって立つしくみになっている。これを「勃起」というんだよ。
みんなの精巣で精子がたくさん作られるようになると、眠っている間に精液がとび出し、目がさめてから気づくというようなことも起こってくる。
ふつう、性的な夢を見て起こることが多いので、これを「夢精」と呼んでいる。

マスターベーション 害はない!
また、マスターベーションも体験するようになるだろう。だが、遅かれ早かれ誰もが体験すること。マスターベーションは害はない──と専門家はいっている。

性に対するメディアの影響
 “性”ということばをきいて、どう思うか?という質問にたいして、ある中学校の男子の回答は、おもしろそう・いやらしい・ドキドキする、の順に多かった。
 女子の答えは、いやらしい・はずかしい・ドキドキする、の順になっている。そして、「大切」と答えた生徒は、こんなにわずかだった。なぜ「大切」より、「いやらしい」や「おもしろそう」の方が、こんなに多いのだろう……。

こころの働きを学ぶ
みんなのこころがやどっている大脳をたてに割ってみると……。
 まんなかのところは、生まれたときからあった本能の部分、その外側を包んでいるところは、勉強したり経験したりしたことをもとに発達してきたうまく生きようとする、適応の部分。      
 そして、その前の方にある「前頭葉」は、みんなの年ごろから発達してくる「人間としてよりよく生きよう!」と考える大切な部分なんだ。
 本能は「たくましく生きる」ために、絶対に必要なもので、食欲や性欲もここから起こってくる。
 みんなのまわりにあふれているいやらしいマンガや雑誌やテレビは、実はここを刺激して、みんなの興味をひくことで、もうけようとしているんだよ。
 だが、よーく見てもらいたい。
 みんなの本能は、知性や理性や判断力のつまったこんなに大きな部分に包みこまれているんだよ。それに小学生のころとは違って、「よりよく生きよう!」と考える前頭葉が、今、めざましく発達しているところなんだ。
 さあ、みんなは、「性はいやらしいもの」と思ってすごす一生と、「性は大切、美しい」と思って生きる一生と、どちらをえらぶ?
 みんなの一人一人が、大脳──こころの中に、“性は大切だ”と考えることのできる能力をもっているんだよ。


指導上のポイント 1巻 思春期
北沢杏子

 1巻を大きくわけると、からだの成長とこころの成長の2つにわけることができます。もし時間に余裕のある場合は、前半が「からだの成長」、後半が「こころの成長」として作られていますから、わけて活用するのもいいでしょう。
 前半の導入としては、生徒たちに「中学生になって、からだやこころの上にどんな変化があったか」を発表させ、二次性徴の現れる平均年齢が日本人は13歳であること──を説明してからビデオをスタートさせてください。
 後半の導入としては、あらかじめ「性ということばをきいてどう思うか」のアンケート調査を行なってグラフにし、討論させてからビデオを始めるといいでしょう。
 なお、私の授業の一部が挿入されているのは、明るく楽しい雰囲気をビデオをみる生徒たちにも伝えたいためです。

税別価格  12,000円 (ライブラリー価格 24,000円)

 

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