ダイジェスト
みんなのからだを病原体から守ってくれているのは、誰だろう?
■病原体の侵入を防ぐ白血球
これはみんなの血管の絵です。血液を顕微鏡で見ると……、これが赤血球、これが白血球、これが血小板。
白血球は何かっていったら、いまもみんなのからだの中をグルグル回りながら、この空気中にあるたくさんの病原体が入ろうとすると、バーンっとはねつけているのが、みなさんのからだの中の血液の中の白血球なの。そのぐらい白血球はね、いつも働いてくれて、みなさんを健康にしてくれているんです。
■白血球の5人のスタッフとその働き
白血球には、いろんな種類があるんだけど、その中の5人のスタッフを紹介するね。
まず食いしん坊のマクロファージっていうのがいるの。みんなの中にも食いしん坊の人いるでしょ。
次に、命令を出すT細胞。みんなのクラスでもいるでしょ、「ああせい、こうせい、ああせい、こうせい」っていう人。
じゃあ次ね、働き者のB細胞。
ケンカに強いT細胞。それから、記憶するのが得意なB細胞。記憶するのが得意の人いる?
この5人のスタッフがどんな活躍をするか、紙芝居を見てみましょう。
紙芝居1 免疫っていうのは、「病原体に対する抵抗力ができた」ということですよ。
紙芝居2 あ、からだの中にはしかが入ってきた。はしかが入ってきたらどうするか?はしかが入ってきたら食いしん坊が、「うわー美味しそうだ」って飛んできたの。そしたらね、命令するT細胞が、「闘うT細胞集まれ、抗体を作るB細胞働け!」って命令します。
紙芝居3 「闘うT細胞集まれ」って言われたから集まったよ。「抗体を作るB細胞、抗体作れ!」って言われたから、どんどん作ります。抗体っていうのはYの形をしていて、病原体をやっつけるものなんだけど。次に「抗体発射!」って命令が出て、(B細胞は)ビューンって投げたの。どこに投げただろう?
紙芝居4 はしかだったよ、やっぱり。ビューンて投げたら、ブスッて突き刺さって、はしかはね、「動けない」って、こういうふうになっちゃうの。すると、それを目印に闘うT細胞が飛んで行ってやっつけました。
紙芝居5 みんなやっつけられたでしょ?闘うT細胞も死んじゃったりしてるのよ。
それから記憶するB細胞が「そうか、はしかは、ああいうやつだったんだな」って記憶します。
紙芝居6 しばらくたって、またはしかが入ってきた。また入ってきたけど、記憶するB細胞が覚えてるじゃない。だからもう抗体ができています。みなさんは一度はしかにかかったら、二度とかかりません。はしかに対する抗体っていうのが、からだの中にできてるから、次にはしかが入っていこうと思っても、こんなふうに入らせないようになっている……。
これを、免疫ができたといいます。
■エイズはどこが違うんだろう?
紙芝居7 エイズのウィルスHIVが入ってきました。どこに行くんだろう?
そう!命令を出すT細胞の中に入れば、他の細胞に命令が行かなくなって、働けないからね。「T細胞あつまれ」とか「B細胞抗体つくれ」とかの命令も、声が小さくて届かない。
紙芝居8 いちばん肝心なT細胞の中にHIVが入っちゃうの。エイズのウィルスであるHIVは、これが特徴なの。
紙芝居9 そしたらどうなるかな?まだ元気なT細胞のところへ、次から次へと飛び移って、命令するT細胞がみんな死んじゃいました。
紙芝居10 そう。そうなると……思い出してください。みんなのまわりには、病原体がブンブン飛んでたでしょ。だけど、白血球が頑張って受けつけないようにしていた。ところが、命令するT細胞がいなくて、ほかの細胞が働けなくなったら、病原体が全部からだの中に入ってきちゃう。
では復習。みんなが人形劇で見せてくれますよ。
■場面1
児童たち わたしたちが、からだを守るスタッフです。
■場面2
二度とはしかにはかかりません。抗体のおかげです。
■場面3
つぎはいよいよエイズのウィルス、HIVの登場です。
命令するT細胞が命令するんだけど、声が出ないね。
おかしいね、T細胞の中を開けてみると……(児童がT細胞のからだを開けると、中にウヨウヨとHIVが入っている)
どうしたらいいかわからないから、(他のスタッフは)みんな困ってるよ。そうしている間にHIVがたくさん増えてしまいました。さあ困った!……