ダイジェスト
タバコを吸うとどうなるか?きょうはその勉強です。
「タバコを長い間吸っていると、どんな病気にかかるか知っていますか?」という質問には、肺炎とか肺の病気とか肺ガンとか、だいたいタバコの煙は肺に入るから、肺の病気になるんだなーっていうぐらいしか知らない。
それから、タバコを吸い始めると、なかなかやめられなくなるよね。
やめようやめようと思ってもやめられなくなっているお父さんや、おじいちゃんの気持ちを考えるために、みんながやめようやめようと思ってもやめられないもの――みんなのアンケートの回答では、ゲーム、プラモデル、モデルガン、ジグソーパズル、マンガ、雑誌……。
まあ、マンガやゲームなら肺ガンになったりしないけど、タバコというのは、ゲームなんかどころじゃないの。いっぺんやったら、やめられなくなっちゃうの。
タバコは、どんなふうにからだに悪いのか?タバコの煙の中の、有害物質について説明するね。
タバコの煙の中には、4000種類もの化学物質が入っていて、その中の200種類が、わたしたちのからだに害を及ぼす物質です。中でも、ニコチン・タール・一酸化炭素の3つは、最も有害な物質です。
■紙芝居『知ってる?タバコの害』
紙芝居1 みなさんが中学生ぐらいになると、タバコ吸おうよ、吸おうよ、吸おうよなんて誘惑がきますよ。
紙芝居2 タバコを吸うとにっこり、あ、おいしいなぁ。タバコがなくなるとイライライラ。で、またタバコを買ってきた。吸うと、あ、おいしいな、にっこり。なくなるとイライライラ。……っていうふうに、ニコチンが、やみつきにさせちゃう。
紙芝居3 次ね。みんなカンパーイってしてるでしょ。なにで乾杯ってしてるんだろ?
そう。タールという発がん物質なんです。
タバコを1日に20本ずつ吸う人が、1年間に体内に取り込むタールの量は、コップ1杯ぶん。
紙芝居4 吸う煙・主流煙と、吸わされる煙・副流煙について。
お父さんは主流煙を吸ってるの。お母さんは、灰皿に置いたよね。そしたら、この子どもたちの鼻の中とか猫の鼻にも入るでしょう。こっちが主流煙で、こっちが副流煙。で、副流煙は、主流煙に比べて、ニコチンが2.8倍、タールが3.4倍、一酸化炭素が4.7倍、アンモニアが50倍、ニトロサミンが52倍。
紙芝居5 タバコを吸うと、歯周炎といって、歯茎のところが炎症を起こします。
紙芝居6 次ね。みんなのからだには、こんなふうに血液が流れてるでしょ。呼吸をして肺に取り込まれた酸素は、赤血球がからだじゅうの細胞に運んで、みなさんは元気でいられます。
紙芝居7 ところが、(紙芝居の)次の子は元気じゃないかもしれないよ。(と引き抜いて)
ほーら、タバコ吸ってる。心臓が「困ったなぁ」って言ってる。どうしてかな?
タバコの中の一酸化炭素は、酸素を、300倍の力で押しのけてね、乗っ取ってしまうの。だから、“一酸化炭素ヘモグロビン”っていうんだけど、一酸化炭素がたくさん混じった血液しか、頭のほうへもいかないし、からだじゅうの細胞にもいかなくなっちゃう。一酸化炭素の血液になっちゃうのね。
紙芝居8 するとどうなるか?なんだかこのごろ勉強ができないなぁ……頭をパカッと開けたら、一酸化炭素の血液ばっかり入ってるの。だから物覚えが悪くなっちゃうよ。
紙芝居9 次はね、お母さんがタバコ吸ってると、ちょとおなかが大きいようだけれど……(と、仕掛けをはがす)ニコチンがへその緒をギューっと縮めちゃうの。すると、あかちゃんのほうに血液がたくさんいかなくなって、栄養が取れないから、あかちゃんの体重は軽くなります。
紙芝居10 覚えてください、ニコチン・タール・一酸化炭素。それを、ずっと何年も吸い続けてると、いろんな病気になります。
からだじゅうのどんなところが病気になるのか、大きな絵でくわしく説明するね。
ずーっと吸っていると、こんなタバコ病になります。
ガンになる。口腔ガン、喉頭ガン、食道ガン、肺ガン、肝臓ガン、胃ガン、すい臓ガン、直腸ガン、ぼうこうガン、骨のガン。女の人は、乳ガン、子宮頸ガン、になります。
重い病気にかかる。脳卒中、くも膜下出血、慢性気管支炎、ぜんそく、動脈瘤、血栓症、心筋梗塞、肺炎、肺気腫になります。
タバコをすすめられたら、みんなはどう断わりますか?
みんなが中学生になると、こういう誘惑が……。
「おい、タバコ吸おうよ」 「仲間はずれにするぞ」 「すっきりするよ」 「かっこいいぜ」 「やせるよ」 「さあ、一本だけならいいだろ、吸おうよ」
児童たち (声を揃えて)いやだ!
そう。だから、イヤ!っていうためには、きょう勉強したことを、また保健の時間などで、もっとしっかり勉強して、ちゃんとノートにも書いておこう。そしてイヤ!の理由――こうこうこうだからイヤ!っと、大きな声で言えるようにしましょうね。