2004.7月

       
  アメリカが戦争をやめない理由  
 

「性を語る会」代表 北沢 杏子

   
       

 

 朝鮮戦争(1950〜53年)の時、トルコ政府はアメリカの要請に応えて派兵しています。

  アフメッドよ/朝鮮では雨がふりしきっているんだね/おまえに家を焼かれた女の/その女の赤ん坊が/母親の屍体にすがって/しのつく雨を浴びて/泣きわめいているではないか/それともおまえはまだそんなことは見ないというのか/それともおまえはもはや冷たい人間になってしまったのか/アフメッドよ /アメリカの兵隊がシン・シャンに入ったとき/おまえは奴らとともに歩いたのか/おまえは/市民が裸にされ/ガソリンをかけられ/焼かれるのを見たか(後略)

 トルコの詩人ヒクメットが「クラーク将軍膝下の1兵士に」と題して、トルコの市民たちに真実を知らせたのがこの詩です(中本信幸訳・飯場書店)。「米国は自国の軍隊を最大危険地域へ投入しようとはせず、トルコ軍は常に激戦地に向かうよう指揮され、果敢に戦った」(アナトリア歴史紀行・大島直政著/自由国民社)の記述もあります。

 自衛隊の多国籍軍参加をやすやすと引き受けてきたばかりか、米英両国から日本独自の指揮権行使の了解を得ているなどとうそぶく小泉首相の無責任発言に、私たちは"怒髪天を突く”思いでいっぱい!

 最近、『戦争中毒──アメリカが軍国主義を脱け出せない本当の理由』(ジョエル・アンドレアス著/きくちゆみ監訳・合同出版)とビデオ『テロリストは誰?』(編集・制作/フランク・ドリル、きくちゆみ他監訳、販売/グローバル・ピース・キャンペーン)を購入して、1日中、読んだり見たりしていました。そして第二次世界大戦以降、CIA(Central Intelligence Agency)による秘密工作と米軍の介入という驚くべき真実を知ったのです。 朝鮮戦争、ベトナム戦争をはじめ、近くは湾岸戦争からアフガニスタン、イラク攻撃まで、すべてはアメリカの戦争成金のための戦争だったことを。

 折も折、有事関連7法成立。行き先不安な状況に鳥肌立つ思いが広がっています。

 友人の看護師は「有事法制で看護師の私には協力義務(罰則つき)が生じる。人権尊重なんて"壁に描いた餅"」と、Unified Command(ロンドマン国防次官が米国の指揮下と言明)におののいています。一説によると、アメリカは次に、マグドナルド(市場経済支配)を拒否した国、イラン、スーダン、北朝鮮を標的にしているとか。

 アメリカが戦争をやめない理由は、つぎからつぎへと拡大していきそうです。

 

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