2019年9月

同性婚をめぐる世界の動き

■ジェンダー争点の参院選(投票日2019年7月21日) 同性婚/夫婦別姓、各党公約に!
 何だ?と思わせる写真が、新聞に掲載されていた。2019年7月3日の党首討論でのひとコマである。「選択的夫婦別姓を認めるか」を問う場面で、他の党首全員が賛成の意を示して手を挙げているのに、安倍晋三・自民党総裁だけが、ひとり挙手していない!
 この党首討論では、各党の公約に同性婚、選択的夫婦別姓、性暴力対策などが討議されたほか、女性候補の割合が競われ、性的少数者LGBTがカムアウトして複数出馬している。
 いまや、性や家族の多様性への関心が高まり、医学部入試の性差別などが顕在化する中で、今回の参院選挙は女性議員28人が当選する画期的な選挙になった。だが、参院選で争点に浮上したジェンダー平等の山は動くのか?今後に期待したい。

■同性婚の是非を問う初の訴訟!

2019年2月14日、同性婚を認めない民法・戸籍法の規定は、「日本国憲法第13条:すべての国民は個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については(略)立法、その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」に反するとして、13組26人が、4地裁(札幌・東京・名古屋・大阪)に一斉提訴した。
 一方、国側は、「憲法第24条:婚姻は両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として云々……」となっていることを理由に、請求棄却を求める構えだ。

■現在「同性婚」施行は25ヵ国(アジアでは初の台湾が同性婚を施行)
 同性婚施行の25ヵ国とは、オランダ(2001年4月1日 施行)、ベルギー(2003年16月 施行)、スペイン(2005年7月3日 施行)、ノルウェー(2009年1月1日 施行)、スウェーデン(2009年5月1日 施行)、ポルトガル(2010年6月5日 施行)、アイスランド(2010年6月27日施行)、デンマーク(2012年6月15日施行)、フランス(2013年5月18日 施行)、イギリス(2014年3月29日 イングランドとウェールズで施行/2014年12月16日 スコットランドで施行)、ルクセンブルク(2015年1月1日 施行)、アイルランド(2015年11月16日施行)、フィンランド(2017年3月1日施行)、グリーンランド(2016年4月1日施行)、マルタ(2017年9月1日施行)、ドイツ(2017年10月1日 施行)、オーストリア(2019年1月1日 施行)、アルゼンチン(2010年7月22日 施行)、カナダ(2005年7月20日 施行)、ウルグアイ(2013年8月5日施行)、コロンビア(2016年合法化)、メキシコ(2012年5月施行)、台湾(2019年5月24日施行)、アメリカ合衆国(2015年6月26日、合衆国最高裁判所が「法の下の平等」を定めた「アメリカ合衆国憲法修正第14条」を根拠にアメリカ合衆国のすべての州で同性結婚を認める判決を出した。これによりアメリカ合衆国のすべての州で合法となった)。
 だが喜んではいられない。世界の76ヵ国では、同性同士が合意の上でカップルになるなどの関係をもつことは違法とされている。このような国では、LGBTの人びとは逮捕され、裁判にかけられ、投獄される危険にさらされている。

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