北沢杏子のWeb連載

113回 私と性教育――なぜ?に答える 2013年7月

 

子宮頸がん予防ワクチンが危い!!
                 ―少女たちをワクチンの副作用から守るために―

 『中学入学、お祝いワクチン!』の名で、東京・杉並区の公費で受けた「子宮頸がんワクチン接種」―この中1女子は、接種直後に激痛が走り、腕から体中に痛みが広がった。2週間後には歩行困難の症状が出て車椅子となり、更に「計算ができない」「自分の名前が言えない」という脳への影響も発生。接種1ヵ月後に通学できるようになったと思いきや、2ヵ月後には頭痛、全身の痛みが再発。現在、通学できない症状とか。この事態に対し杉並区は、最初こそワクチン被害を否定していたものの、区議会の追求を受けて「接種の副作用」と認め、全国初の「補償」を決定しました。

 2010年4月から、小学校6年生〜高校1年生女子対象の子宮頸がんワクチン接種が公費で始まり、今年(2013年)4月から(予防接種法改正により)定期接種案内が該当年齢女子のいる家庭に届くようになりました。そんな折も折、このワクチン接種による副作用が、わっと持ち上がったのです。熱が出た、歩けない、全身のけいれん、話ができない、と被害少女たちは訴えます。

 もともと子宮頸がんは、性交によって男性からHPV(ヒトパピローマウィルス)※が感染し発症します。日本では年間約9,800人の20〜30代の女性が罹患し、約2,700人が死亡しているそうです。そこで、まだ性交体験のない小6〜高1女子に、公費で予防ワクチンを接種しようということになったわけなんですね。なのに、「なぜ、このワクチン接種を受けるのか?」を、本人たちには知らせないのです。

 栃木県大田原市では、2010年5月、いち早く小6女子329人に予防接種を開始しました※※。
 しかし、学校の先生は「あなた方がいまにセックスをすると、子宮頸がんウィルスに感染する可能性がある。だから、いまのうちに予防接種をしておくのです」とは言わない。小6の女の子たちはワクチン接種後、無邪気に「肺がんとかになるのはイヤなので、注射してよかった」と話しあっていたとか。理由も知らせずに嘘の予防医療を施す、この人権無視の行為に、私は憤りを覚えます。

 話をもとに戻して、2010年4月に始まった子宮頸がんワクチン接種は、現在までに約328万人が接種を受け、うち2,000件の副作用が報告されています。このワクチンは、皮下注射より深く針を刺す筋肉注射を行なう。また、ワクチンの効果を高める補助剤が入っているとのことで、これらの影響を指摘する声もあるものの、因果関係は不明です。
 私がある専門医から聞いたところによると、ワクチンの免疫効果を高めるためのアジュバントとして水素化アルミニウムや塩化ナトリウム他の化学物質が加えられており、これが脳への影響を引き起こし、失神、記憶喪失、歩行困難などの副作用が出ているのでは、とのことでした。

 被害児たちの家族や内科医、地方議員などが、去る3月に立ち上げた『全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会』は、厚生労働省に対し、「膨大な税金を投じて接種を進めるほどの効果があるのか?徹底検証すべきだ」と勧告。ついで「失神、転倒して歯や鼻の骨が折れた女子50数人」など、メディアによって続々と被害が報告されるや、厚生労働省は2013年6月14日、接種の推奨を一時中止することに決定。
 続いて6月22日、日本産婦人科学会(日産婦)は、海外の状況、ワクチンと健康被害との因果関係の分析などを独自に調べ検討する、と発表しました。厚生労働省も日産婦も、遅きに失したという他はない無責任さです。

 子宮頸がんの原因になるHPV(ヒトパピローマウィルス)は、殆どの女性が性交によって感染しますが、自身の抗体により、その90%は1年数ヵ月のうちに消失、ウィルスは検出されなくなるとか。ただ、HPVには低リスク型、中リスク型、高リスク型があり、高リスク型のウィルスの持続感染が続くと、その10%程度が子宮頸部の上皮細胞に進入し、核を変性させて異形成を起こす恐れがあるそうです。

 前述の専門医は、持続感染が継続するような生活習慣(不規則な食生活・睡眠、疲労、心的負荷)をとる20〜30代の女性は、HPVへの抗体が低いと想定されることから、自覚的に子宮頸がんの定期健診を受けること。早期発見・早期治療を受ければ、子宮頸がんの発生は十分に避けられると言っています。この検診、欧米では(英国を例に挙げれば)受診率は80%、日本はなんと25%弱です。ワクチン接種に膨大な公費を使うなら、定期健診にこそ、その公費をあて、検診の奨励に力を注ぐべきでしょう。

 このところ、@高齢出産妊婦への出生前血液検査のすすめ、A乳がんの遺伝子検査アピールなど、女性たちを不安におとし入れる情報が、続々と降りかかっており、今回のB子宮頸がんワクチンの副作用は、更にその脅威を、少女たちにまで拡大しています。
 これらは、勘ぐれば、@Aは米国の検査企業、遺伝子産業、Bは米国・英国の製薬会社が特許を持つ「ワクチンビジネス」に利用されているのでは?とさえ思えてきます。
 少女たちは賢くならなければならない!「自分の体は自分で守る知識」を獲得しよう!性教育をライフワークとして生きてきた私の、心からの忠告です。

※ヒトパピローマウィルスには、100種類ものタイプがあり、子宮頸がんを引き起こすのは16型と18型。現在使われている「サーバリックス」と「ガーダシル」は、このウィルスへの免疫効果があると言われている。
※※子宮頸がんワクチン接種は、1人につき1回15,000円、3回行なうため計45,000円に諸経費を加算すると48,000円。市は、少子高齢化対策として年間総額3,000万円の予算を組んだという。



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