北沢杏子のWeb連載
第122回 私と性教育――なぜ?に答える 2014年4月 |
「子宮頸がん予防ワクチン接種」の是非について考える そのU
■「全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会」が発足!
ここに至って、被害児たちの家族や医師会、地方議員らが、『全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会』を立ち上げ、厚生労働省に対し、「膨大な税金を投じて接種を進めるほどの効果があるのか?徹底検証すべきだ」と勧告。
ついで「失神・転倒して歯や鼻の骨が折れた女子50数人」など、メディアによって続々と被害が報告されるや、厚生労働省健康局は2013年6月14日、接種の推奨を一時中止することを決定。続いて6月22日、日本産婦人科学会(日産婦)は、海外の状況、ワクチンと健康被害との因果関係の分析などを早急に調べ検討する、と発表しました。
厚労省によると、2010年4月の予防接種開始から2012年7月末までに、医療機関などからの副作用報告は2,259件。うち、歩行困難や全身の痛みなど「重篤」な症状の報告は501件にのぼりました。
文部科学省は「ワクチン被害者連絡会」の要請を受け、全国16,700の国公立中学校・高等学校で接種をした生徒の欠席状況を調査。30日以上学校を休んだり、部活や授業に支障が出た生徒は、「ワクチン接種一時中止」前の2012年度だけで171人、1年以上の欠席も18人を数えました。
全国市議会議長会は、子宮頸がんワクチン接種者全員への徹底調査」「救済制度の充実」を主張しています。
■このような副作用は、なぜ起るのか?
このワクチンの接種部位は、主に腕の肩に近い外側の部位(三角筋)で、しかも、かなり深く針を刺す方法がとられるため、厚生労働省から、あらかじめ担当医宛に「注意書き」が送られてあったとか。曰く「接種後に心因反応を含む血管迷走神経反射として失神が起ることがある」、「失神による転倒を避けるため、接種後30分程度は椅子に座らせるなどして、被接種者の状態を観察するように」と。
では、なぜこのような失神や転倒、また前述の「話ができない」「計算ができない」などの副作用が起こるのでしょうか?私がある専門医から聞いたところによると、日本で現在承認されている子宮頸がん予防ワクチン、薬名サーバリックス(米国GKS社、16型18型対象)およびガーダシル(英国MSD社、6、11、16、18型対象)には、ワクチンの免疫効果を高めるためのアジュバント※として水素化アルミニウム、モノホスホリルリピッドA、L−塩酸ヒスチジン、ポリソルベート80、塩化ナトリウムなどの化学物質が添加されており、これが脳への影響を引き起こし、失神、記憶喪失、歩行困難などの副作用をもたらしているのではないか?とのことでした。
ともあれ、一連の副作用報告を重視した厚生労働省健康局のの検討委員会は、2013年6月、接種推奨を一時中止したものの、今年(2014年)1月20日には、「副作用の多くは接種の激痛、恐怖、不安によるもの」との総論で決着。再び接種の勧めを再開する模様で、今後は「希望者のみ接種」となるかも。そうなると、副作用が出ても「自己責任」と決めつけられる可能性が大きく、「接種するか?しないか?」少女たち、保護者たちの迷いは尽きない事態に追い込まれるのではないでしょうか。
■予防接種より、子宮頸がん定期健診を!
厚生労働省健康局により、2004年から子宮がん検診年齢を「20歳以上、2年おき」と規定。区市町村の役所または保健所発行の、子宮がん検診クーポン券カードを医療機関に提出すれば、公費(無料)で検査が受けられます。
専門医によると、子宮頸がんの予防はまず、検診(細胞の検査)を受けることにつきるとのこと。細胞診で軽度の異形成と診断された場合、定期的に経過を診るだけで快方に向かうということです。早期発見、早期治療です!
子宮頸がんの原因は「性行為によるHPV感染」とわかっているのですから、性体験が始まったら、2年毎の検診の実行こそが、低年齢の女子への予防ワクチン接種より、ずっと確実だということを知っておくべきでしょう。なのに、日本の女性の子宮頸がん定期受診率はどうでしょう?
世界の先進国では子宮頸がん予防への意識が高く、アメリカ、イギリスでは80%の女性が検診を受けているのに、日本は25%にも届いていません。
女性たちはもっと賢くならねば!「自分の体は自分で守る」ための知識を獲得し、進んで2年に1度の子宮頸がん検診を実行しましょう。これが、性教育をライフワークとして生きてきた私の、若い皆さんへの、心からの忠告です。
もちろん、男性にも、罹患している女性との性行為によってHPVは感染するので、注意が必要ですよ。